きものの世界では日本的祭り事の中で慶事・吉祥を演出、表現するのに使われる代表的な文様です。
松は裂取した友禅の上に、立枠調に本金で手描きを施し、竹と梅は京繍で仕上げています。取分け梅の表情は紐房をアレンジしているのですが縫いの技法が繊細に(縦横斜めに...)まるで生地に乗っかる様に見える位に凝らしてあります。
染めの作業は基本的に糸目糊置き、手描き友禅のみの手法で染上げていますが、その友禅たる藍色は研究の末に本藍を友禅に特化して独特の風味を出しています。
当社のお付き合い頂く友禅作家「中村康人」氏の力作のひとつです。
江戸中期の頃に創作された小袖「雪持ち菊に蝶文様小袖」を現代女性がお召し頂ける様な訪問着になるように創意工夫してみました。
当時は贅沢な手縫い技法を主に施した衣裳でしたが、それを今様の友禅染と京繍の繊細なテクニックを主体に当社スタッフそれぞれの最高技術で設えました。
前者と同じく江戸期創作の小袖「龍田川模様小袖」を現代版にモチーフした作品です。
紅葉(もみじ)は四季の感情を呼び起こすなど屏風絵にも多く表され、此の一領は大和の竜田川を表しています。当作品は藍蝋を友禅に特化して染めの研究なされている友禅作家「中村康人」氏によって染め描かれているのが一大特色です。
HPの「こだわり」欄に紹介しています江戸期の大袱紗の一例をご覧下さい。時の将軍「綱吉公」が側室さん達に与えた当時の刺繍仕上げの逸品です。
その中の「柳に俵船」の構図のものをモチーフして創作しました。五穀豊穣を縁起とした演出で、取分け豊かな実りのお米を米俵に包み、柳の木の下に停泊している船に積み込むと言った様を表現しています。
現代の絵画は色々な手法で出版され又その形態が豊富ですが、昔の時代は巻物に認め描かれた絵模様を見る楽しみ方がありました。
その様なイメージを不老長寿で縁起の良いシンボルとされる古代亀を菅縫いで又松を金描き風に描写しながら絵物語に構成してみました。
京都東山、京都女子大(南門)正門より更に東に向い、そこから石段を登り山頂目指した所に豊臣秀吉の本廟(豊国廟)がありました。
徳川幕政になってから当地は取り壊され、京都国立博物館の北側に豊国神社として祭られています。
時の権力者と言えど、辞世に「露と落ち露と消えにし我が身かな、浪速のことも夢のまた夢」と詠んだ当人の飽くなき「夢」を求める心情をきもの図案に模してみました。 石段は金駒で、桜は撚糸の閉じ上げで刺繍を施し、霞を本金で描きました。
桃山期から江戸初期に華やいだ狩野派に対抗して現れた「長谷川等伯」。前者の多彩さとは対照的にクールなタッチの画風が特色です。
京都・東山にある「智積院」さんには京都国立博物館監修の元、代表的な襖絵等種々立派な作品が残されています。
京都、西京区大原野に建立された「十輪寺」さん(平安の歌人「在原業平」ゆかりの俗称、業平寺)の境内にある老木の枝垂れ桜を弊社監修の下、友禅作家「濱本信博」氏に依頼し写生した図案を基に友禅工法のみで染上げてもらった逸品です。